第1段落
クリシュナにとっては、物質エネルギーと霊的なエネルギーの違いはありません。主にとっては全く同じです。時として、電気は冷やすという目的のために働き、別のときは暖めるという目的のために働きます。しかし、発電所で作られるエネルギーはどれも同じです。同様に、クリシュナのエネルギーはどれも霊的ですが、異なるふうに活動しています。町には福祉の部署と警察の部署があるかもしれません。政府にとっては、どちらも同じです。どちらも政府に従属する部分だからです。しかし、個人にとってはそれらは異なるサービスを提供します。物質エネルギーは生命体にとってはそれほど好ましくない方法で働いているかもしれませんが、それはクリシュナが物質エネルギーを好まれないということを意味するのではありません。霊的なエネルギーと同じくらい大切ですが、それは制約された魂を罰するために働いています。警察が犯罪者を罰するために働いているようなものです。ブラーマ・サムヒターにおいて、クリシュナのエネルギーはいつも霊的であるけれど、異なる活動の場において異なるふうに活動している、と確認されています。クリシュナによっては、エネルギー間の違いはありませんが、私たちは自分たちの理解のために区別をつけて、時々はエネルギーは物質的に働き、時々は霊的に働く、と言います。私たちは、エネルギーが熱いとか冷たいとか、良いとか悪いとか、心地よいとか心地よくないとか考えますが、事実はエネルギーは同じなのです。 第2段落 クリシュナは劣性ではないので、劣性のエネルギーを出すことはできません。主はいつも優性で霊的であり、したがって主のエネルギーはいつも霊的です。スバードラーはクリシュナの妹であり、彼女から物質エネルギーの人格体であるドゥルガーの化身が生じます。スバードラーは霊的世界にいて、主のエネルギーとして永遠にクリシュナと関係があります。しかし、ドゥルガーがこの物質世界で活動するとき、彼女が劣性であると考えられるわけではありません。バガヴァッド・ギーターにおいても、ブラーマ・サムヒターにおいても、ドゥルガーあるいはマーヤーはクリシュナの指揮のもとで行動している、と述べられています。それではどうして彼女は劣性だと考えられるでしょう。犯罪者たちは警察は政府の中の劣った部署だと考えるかもしれませんが、法に従う市民はそのようには考えません。それは単に特定のあり方で機能しているのです。同様に、物質エネルギーはクリシュナの指揮の下にある生命体を惑わせるように働かねばなりません。 第3段落 私たちは物質エネルギーの中の生命体であり、物質自然を支配したいと望んだので、この立場にあります。クリシュナは私たちに設備を与え、「いいでしょう、やってみるが良いでしょう。しかし、あなたたちは成功することはできません」とおっしゃいました。クリシュナの至高の指揮のもとで自然の法則がどのように働いているかを知らないでいる限り、私たちは自分の活動において敗北を繰り返すでしょう。私たちがクリシュナを完全に理解するとき、私たちは自動的に自然の法則を知り、それがどのように働いているかを知るでしょう。ヴァイシュナヴァは物質自然の法則の背景について考えます。私たちがクリシュナを完全に理解するとき、実際には劣性やエネルギーや物質エネルギーなどはなく、すべては霊的である、ということを私たちは理解するでしょう。高い次元においては、私たちの経験していることのすべては至高主の異なるエネルギーとその反応である、ということを、私たちは理解することができます。私たちがクリシュナを完璧に理解するとき、そのとき、優性と劣性というエネルギーの違いは消え去ります。クリシュナへの奉仕のために働いているものは、すべて優性エネルギーです。より高い意味では、すべてがクリシュナに仕えており、非常に進歩した者はこれを理解します。 第4段落 主が様々なエネルギーをお持ちであることはヴェーダ文献で確認されています。それでも至高主は個人的にすることは何もありません。これはどういうことでしょうか。主は富を得ようとしてあくせくする必要はありません。すべての富は主のものだからです。知識を求める必要もありません。すべての知識は主のものであるからです。力を求める必要もありません。すべての力は主のものであるからです。美しさや名声や放棄を求める必要もありません。それらはすべて完全に主のものであるからです。主が直接に宇宙の出来事を管理なさることもありません。主がご自分のお住まいに留まっておられる間に物事を運行する多くの助手をお持ちだからです。これはシュリー・イソパニシャッドに確認されています。 (サンスクリット引用) 「至高の人格神は、ご自分のお住まいに留まっておられるにも関わらず、心より速く、他の誰よりも速く走れます。強力な半神たちも主に近づけません。一つのところにいらっしゃるにも関わらず、空気と雨を供給する者を統御しておられます。主は素晴らしさにおいて何者にも優ります。」(シュリー・イソパニシャッド、マントラ4) 第5段落 このように、クリシュナにはするべき仕事はありません。至高の人格神として、主は単にゴピーたち(牛飼いの娘たち)や主の恋人(consort、通常は妃を指す)ラーダーラーニーと楽しく過ごすだけです。クリシュナは、クリシュナとしては悪魔たちを殺すこともなさいません。クリシュナが悪魔たちを殺すとき、主は本来のクリシュナではなく、ヴァースデヴァ・クリシュナとして知られます。クリシュナがご自分を拡大なさるとき、主はまずバララーマとして、さらにサンカルサナ、プラデュムナ、アニルッダ、そしてヴァースデヴァとして拡大します。ヴァースデヴァとして、主はマスラーとドゥヴァーラカーにて活動なさいますが、本来のクリシュナとしては、主はヴリンダーヴァンに留まられます。これはややこしく見えるかもしれません。ベンガルの最も偉大な小説家の一人でさえ、ヴリンダーヴァンのクリシュナとドゥヴァーラカーのクリシュナとマスラーのクリシュナは三人の異なる人物であると誤解していました。しかし、もし私たちがクリシュナの拡張体の性質を知るなら、理解するのは難しいことではありません。クリシュナは同じであり、主には比肩するものなく、しかし主はご自分を無数の形に拡大することができます。これはすべて主の楽しみという目的のためです。 第6段落 バガヴァッド・ギーターの10章において、クリシュナはアルジュナに次のようにご自分の異なる顕現についてご説明なさいます。 (サンスクリット引用) 「馬の中では、不滅性(immortality)の霊薬から生まれ、海から上がってきたウッチャイフスラヴァーが私であると知りなさい。王者のような象の中では、私はアイラーヴァタです。人の中では、私は独裁君主です。武器の中では、私は雷霆(「らいてい」、稲妻の矢、サンダーボルト)です。牛の中では、豊富な乳を与えるカーマドゥークです。子を作るものの中では、私は愛の神カンダルパです。そして大蛇の中では私は首領のヴァースキです。」(BG10-27.28)
by ammolitering4
| 2009-06-07 02:20
| 「クリシュナ意識への上昇」
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