第1段落
(サンスクリット引用) 「至高主はおっしゃいました。”この体は、おお、クンティーの息子よ、地表(フィールド)と呼ばれ、この体を知る者は、地表を知る者と呼ばれます。”」(BG13.2) 第2段落 至高の人格神クリシュナは、クシェトラとクシェトラジナに関する知識をアルジュナに教えておられます。クシェトラは地表、すなわち体を指し、クシェトラジナは地表を知る者、すなわち個々の魂を指します。もし土地が耕されるなら、耕す人がいなくてはなりません。そして、もしも地表に例えられるこの体が耕されるなら、それを耕すことのできる所有者がいなくてはなりません。今、私たちはこの物質的な体を持っており、それを正しく耕すことは私たちの義務です。その耕作はアカルマ、すなわち仕事と呼ばれます。ある人は私たちの土地へクワを持って耕しに来るかもしれません。あるいは、単にコーヒーやお茶を飲みにくるだけかもしれません。私たちは、耕し、そして私たちの望みに添った感覚の満足の対象を得るために、この特定の体を与えられました。この体は神からの贈り物です。神はとても親切です。そして、もしも誰かが主から何かを欲しがれば、それをお与えになります。「いいでしょう」と主はおっしゃいます。「これを受け取りなさい。」主と私たちとの関係は、ちょうど父と息子のようなものです。息子は父に何かをくれとせがむかもしれません。そして父は、彼が欲しがっているものは彼のためにはならない、と説得しようとするかもしれません。「愛しい息子よ、これに触ってはいけません。これはあなたにとって良いものではありません。」しかし、もし少年がどうしてもと言うなら、父は持たせてあげるでしょう。愛情深い父は、息子に彼が欲しがるものを与えるのです。同様に、至高の父は御自分の息子や娘たちに彼らが望むものを与えます。バガヴァッド・ギーターには、すべての種のすべての生命は主の子供たちであると述べられています。 (サンスクリット引用) 「すべての種の生命は、おお、クンティーの息子よ、この物質自然の中に宿りました。(made possible by birth)そして私が生命を与えた父です。」(BG14.4) 第3段落 この物質世界では、母、すなわちプラクリティ、物質自然が私たちに体を供給し、至高の父がこの物質を生きた魂で孕ませます。人間だけが魂を持っていて他の生命体は持たないという誤った理論がありますが、私たちはヴェーダの権威から、草や木を含む八百万以上の種類の体があり、それらがすべて魂を持っていることを理解します。魂がなければ発達して育つことができないからです。この節において、シュリー・クリシュナは、この物質世界でまとう形のいかんに関わらず、すべての生命体は御自分の息子たちであり、彼らは息子が父と関係があるように御自分と関係がある、と主張なさいます。 第4段落 このクリシュナ意識は、特に魂の位置づけと神との関係を理解するためにあります。 (サンスクリット引用) 「おお、バーラタの末裔よ、私がまたすべての体における知る者であり、この体とその持ち主を理解することは知識と呼ばれることを、あなたは理解すべきです。それが私の意見です。」(BG13.3) 第5段落 もしも私たちがこの体について瞑想して、私たちが本当にこの体であるかどうかを調べるなら、私たちは自分はクシェトラジナ、すなわち体を知る者であって、体ではない、という結論に達するでしょう。もし私たちが自分の指を調べ、自分が指であるかどうかと考えるなら、私たちは自分は指でもなく他のどの部位でもなく、逆に指や腕や脚や頭などは「私たちの」指、腕、脚、頭などであるという結論にたどり着くでしょう。このようにして、私たちは自分がこの体ではなく体が自分に属しているのだという結論を導き出せます。したがって、私たちは「これは私の体です」といいます。不幸にして、この現代文明に生きる人々は、自分が何であるか、あるいは誰であるかを立ち止まって問いません。彼らは単に「自分はこの体である」という印象の下で、一日中、工場や事務所で一生懸命働いています。そして、もし私たちが人々に彼らは誰であるかと尋ねると、彼らは「私はヒンズー教徒です、イスラム教徒です、スウェーデン人です、アメリカ人です、キリスト教徒です」等々と答えます。これらは体のさまざまな認識、あるいは識別の違いですが、事実は、私たちはこの体ではないのです。体は単に私たちの活動の地表に過ぎません。土地を耕す人が土地ではないように、私たちも体ではないのです。
by ammolitering4
| 2009-05-25 04:42
| 「クリシュナ意識への上昇」
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