第9章 自己を認識した聖人たちの足跡を辿る
第1段落 無神論者たちは徐々に悪魔的な性質を育み、世界の中で名声(訳注:name, fame、同義の繰り返し)富などを追って物乞いのように生きます。常にマーヤーによって惑わされているので、彼らは無駄な人生を生きます。 一方で、至高主に奉仕をすることに本当に身を捧げている(dedicated、専念)人は、決してそのような悪魔的な精神性によって魅了されません。これらの偉大な魂は、「マハートマー」という称号を飾り(appendage、付属品)として持っている(to carry)のではありません。 悪魔的な道を辿り、いつも至高主に挑む者は、自分(訳注:挑む者)をマハートマーであると考えるように人々を騙そうとする(to fool)かもしれませんが(訳注:マハートマーの振りをして、人々にそう思いこませようとする)、実際のマハートマーの性質(characteristics)はバガヴァッド・ギーターの中に見出されます。 (サンスクリット引用) 「おお、プリターの息子よ、惑わされていない者、聖なる魂は、神聖なる自然の庇護の下にあります。彼らは私をもともとの、無尽蔵の(inexhaustible)至高の人格神として知っているので、完全に献身奉仕に携わっています。」 第2段落 本当のマハートマーは自分の心を感覚の満足と物質的な欲望で悩ませず(to distract、気を 逸らす、惑わす)、そうではなく(but)一途な(single-minded、ひたむきな)決意(resolve)をもって彼らは至高主への献身奉仕にいそしみます。 主の神聖なるエネルギーの庇護の下にあるので、彼らは主クリシュナがすべての原因の至高の原因であることを理解します。そのような人々だけがすべての聖人的な性質を持っています(to possess)。主クリシュナの献身者は並外れた(exceptional)名士たち(personalities)です。 なぜなら、彼らはいつでも、半神たちによってさえ滅多に得られない並外れた(extraordinary)性質を備えているからです(to be embellished with、~で飾られている)。この世界に平和の時代を迎え入れる(to usher in)ために、そのようなマハートマーたちの存在は必須(imperative、緊急、肝要)です。 第3段落 最近、ニューデリーで開かれた医学会議において、我が国の首相(our honorable prime minister、honorableは敬称。the Honorableとすることが多い)がスピーチで次のように述べました(to make observation、所見を述べる)。 「私たちは、人々が病気になるのを待ってそれから彼らを治療するのではなく(rather than)、公衆衛生(public health)、衛生施設(sanitation、衛生のための設備、対策)、その他諸々の予防策をとります(to go in for、求める、志す)。 その原則をもっと大きな領域に当てはめ、治療しないままで放置しておくと将来もっと難しい形で直面しなければならなくなる社会的な病気を予防しようではありませんか。ですから、皆さんのような賢明な人々が共に集まるとき、おそらく皆さんは、非常に多くの対立(conflicts)や問題を生じさせ、人間の進歩を阻む(to impede、邪魔する)人類全体(humanity as a whole)の病(ills and diseases、同義の繰り返し)のことをお考えになるでしょう。」 第4段落 事実は、何であれ世界に持ち上がる(to crop up、突然生じる)問題は、心によって生じさせられるというものです。パンディタ(訳注;複数)は聖典を詳しく(thoroughly、徹底的に)調べ、この主題について多くの議論をしました。 もしも私たちが、彼(アムバリーサ王)の指導の下で彼ら(パンディタたち)の心を主クリシュナの蓮の御足に集中させた、アムバリーサ王の主題によって示される例を辿るなら(訳注:アムバリーサ王はその指導の下でパンディタたちの心を主クリシュナの蓮の御足に集中させましたが、もしも私たちがその主題によって示される例を辿るなら)、 それなら心はすべての病から癒され得ます。他のどんな過程(process、方法)も、プラーラーダ・マハーラージャによってシュリマッド・バーガヴァタム(5.18.12)に描写された運命を私たちにもたらします。(サンスクリット引用) 「献身奉仕を行わず(devoid of、~が欠けている)、物質的な活動に携わっている者は、何の良い性質も持ちません。たとえ彼が神秘的なヨガの実践や、自分の家族と親戚を維持するという(of)正直な努力に熟達している(adept at)としても、彼は必ず(must)自分自身の物質的な推量によって突き動かされ(to be driven by)、そして必ず主の外的なエネルギーへの奉仕に携わります。そのような人にどうして何らの良い性質があり得るでしょうか?」 第5段落 この精神的な病を治すための唯一の方法は、クリシュナの聖なる御名を唱えるという主チャイタンニャの教えに誠心誠意(wholeheartedly)従うことです。これは心のすべての汚れ(impurities、不純物)を清めます。 この深遠な(esoteric、秘儀、奥義、難解な)真実が広く伝えられない(to be propagated、思想を宣伝する)限り、世界はすべての精神的な病を治す万能薬(panacea)がないままに留まるでしょう(to remain deprived of)。 我が国の首相はこれを真剣に考慮すべきです。もしも主クリシュナの献身者の数がほんの少しでも増えるなら、直ちに世界に平和と繁栄の復活(resurgence)があるでしょう。人間が半神の栄えある高さに上がるためには、彼は自分の潜在的な(latent)クリシュナ意識を蘇らせねば(to revive)ならないだけです。このように、クリシュナ意識は人類への最も偉大な恩恵(boon)です。 第6段落 マハートマーは他の素晴らしい性質も持っており、そのいくつかを主クリシュナはバガヴァッド・ギーター(9.14)において描写なさいます。 (サンスクリット引用) 「いつも私の栄光を唱え、大いなる決意をもって努力し、私の前にひれ伏しており、これらの偉大な魂たちは絶えず(perpetually、永久に)献身の念を持って私を崇拝します。」 第7段落 この一文は、どうやって主クリシュナの献身者になるかということの幾つかのヒントを与えます。サタタム(「いつも」)という言葉は、人の意識を浄化する過程は、結果を求める活動、経験主義的な(empiric)知識、ヨガ、あるいは時間、場所、状況などによらない(does not depend on、左右されない)、ということを示すのに使われてきました(has been used)。 第8段落 生命体は、自分は主クリシュナの永遠の従者であると認めれば直ちに、すべての苦しみから自由になります。そのような主の従者は、結果を求める活動をしたり、経験主義的な知識を培ったりする必要がなく、また、他のどんな浄化の過程を辿る(to undergo、変化を経験する、苦難に耐える)必要もありません。唯一の絶対に必要な要素(factor)は、主への献身奉仕への彼の激しい欲求(intense greed)です。 第9段落 主クリシュナへの極度な渇望(extreme longing)が、主に到達するための唯一の手段です。このように(Thus)、激しくて(intense)揺るがない(unflinching)献身奉仕は、マハートマーのもう一つのしるしです。 これらのマハートマーたちは、主クリシュナの御名、姿(form、形)、性質、娯楽、そして関連する諸々(paraphernalia)を聞き、唱え、そして覚えていることに始まり、献身奉仕の9つの枝(limbs、この場合は「側面」の意味)のすべてを遂行します。 そのような献身奉仕は、時間、場所、あるいは状況といういかなる俗的な考慮(consideration、理由、動機)をも超越しています。マハートマーは、いつも主へ愛情ある献身奉仕をすることに熱心です。彼らは疲れを知らずに自分の人生、エネルギー、言葉、知性、体、社会---すべて---を主への奉仕に捧げます。 第10段落 献身奉仕を遂行するためにマハートマーが行う(to undertake、引き受ける)大変な(great)努力は、普通の人が自分の家族と家を維持するために過度な苦痛(pains and troubles)を自発的に受け入れることよりももっと激しい(intense)ものです。 家族と親戚を維持するための努力は幻想、すなわちマーヤーです。したがって(Hence)それは本当に苦しいものです(distressing、悲惨)。対照的に、人が至高主に奉仕をすることにおいて受け入れる困難は超越的であり、したがってそれは至高の喜びの源です。 さらに、至高主に奉仕をする者は自動的に自分の家族に奉仕をします。しかし、その反対は真実ではありません。家族に奉仕をすることは主に奉仕をすることと等しくはありません(not equivalent)。すべてのマハートマーはこの点で同意します。 至高主に奉仕をする人は自分の親戚に奉仕をするだけでなく、動く生命体と動かない生命体の(of、~という、~からなる)すべての世界に奉仕をします。(訳注:the entire world of moving and nonmoving living beings、世界中の生きとし生けるものすべて、という意味だと思われますが、プラブパーダの他の文章から、「動かない生命体」には山や海なども含まれるものと考えられます。) このように、主クリシュナへの奉仕は世界の平和と調和の主要な原因です。 第11段落 マハートマーはいつも大いなる決意をもって主にそのような奉仕をする用意があります。このことに関して、シュリーラ・バークティスィッダーンタ・サラスヴァティー・タークラ睨下が、かつて講演でこのように述べられました。 「初心者のヴァイシュナヴァ献身者が至高主の神像の崇拝の間に一度だけ鐘を鳴らすことでさえ、霊的にもそうでない面でも(spiritually and otherwise)、慈善心に富んだ(charitable)「結果を求めて働く者」(訳注:原文は括弧なし)が多くの病院を建てたり、何千人もの貧困者に食べ物を与えたり、家を建てたりすることよりも、あるいは、経験主義的な哲学者のヴェーダ研究、瞑想、禁欲(austerities)や苦行(penances)さえよりも、100万倍もの価値があります。」 第12段落 マハートマーたちは慈善(charity)の完璧な道---主への献身奉仕---を示しました。誰であれ、もしもこの道を無視して、その代わりに病院を建てるなら、人類を助けるための彼の努力は単なる(mere)見せかけ(pretense)です。 人類はそのような活動からは決して何らの恒久的な利益(advantage)も得る(to reap、刈り取る、成果を上げる)ことができません。実に、病院の数に合わせて、患者の数は増えるだけです。そして、貧しい者に食べ物を与えることについては、これは決して貧困を根絶せず(to eradicate)、そうではなく、それを助長します(to encourage)。 はっきり言うと(Frankly speaking)、私たちは病院を開くことや貧しい人々に食べ物を与えることや、その他のどのようなそうした人道的な奉仕にも反対ではありません。しかし、私たちが敬愛する霊的指導者から学んだのは、主への献身奉仕がないがしろにされるとき、他のすべての活動は幻想的で無駄(futile、役に立たない、空しい)だということです。 主チャイタンニャの流れ(line)を厳密に辿らない霊的な団体は、これを理解することができません。なぜなら、彼らはマハートマーの教えに従う(to abide by)ことを望まないからです。彼らは「一本の草よりも謙虚(humble)である」ようにという主チャイタンニャの命令(injunction)に従いません。 もしも彼らがそのように謙虚であるなら、彼らは、良い行い(good deeds)をする人、最も賢い人、最も献身的、などであるという自分たちの驕り(pride)を捨てるでしょう。 第13段落 マハートマーを見習おう(to emulate)と努力する(to strive)者は、決して不活動(passivity)と退行(regression、成長が早い段階で止まっている状態、退化)に陥りません(to fall prey to、餌食になる)。主に奉仕をすることへの彼らの熱意と決意は着実に(steadily)増します。 そのような信者(followers)は、かつてのアーチャーリャやマハートマーたちが勧めたように、主の喜びのためにジャンマースタミー(注1)やエカーダシー(注2)などの霊的な祭事(occasions、行事、儀式)を執り行います(to observe)。この献身奉仕は正しいものです。 マハートマーは一本の草よりも謙虚なので、彼らは主クリシュナと主に関わるすべてのものを崇拝します。しかし無神論者は全く違う精神性を見せます。彼らは自分の能力と慈悲深い性質(charitable disposition)を見せびらかしたがります(to flaunt)。 彼らは主クリシュナに奉仕をする振りをするかもしれませんが、彼らの目的はいったん完成を得たら「主の頭上に座る」ことです。言い換えると、彼らは主の立場を奪いたがるのです(to usurp)。したがって彼らは本当に主クリシュナに奉仕をするのではなく、主は彼らの本当の崇拝の対象でもありません。 マハートマーは決してこれらの悪魔的な人々と関わりません。彼らは主に奉仕をするという自分の決意(resolve)を固めており(to be fixed in)、そしてそのため彼らはいつも献身奉仕を通して主と結びついたままです。 注1)ジャンマスタミーは主クリシュナの降誕の祭。 注2)エカーダシー---文字通り11日目(を意味する)。太陰暦(lunar month)では満ち欠けする(waxing and waning)月の11日目に当たる。ヴァイシュナヴァはこの日、穀物を慎む(to abstain)。
by ammolitering4
| 2015-01-29 08:11
| 「英知による放棄」
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