第4章 ダーウィンの進化論の不完全にして推量的な知識
第1段落 チャールズ・ダーウィンが1859年に彼の進化論を発表する前、彼は自分の同時代の博物学者の一人、A.R.ウォレス(アルフレッド・ラッセル・ウォレス、Alfred Russel Wallace、イギリス人。1823-1913)と頻繁に文通しました。 A.R.ウォレスへの手紙の一通の中で(1857年12月22日)、ダーウィンはこう書きました。「、、、推量が無くては、良くて独自の観察(good and original observation)はない、ということを固く信じる者です、、、」(脚注1)このように、人は彼の理論を理解するために詳しい研究をする必要はありません。 彼の理論は、彼の「ビーグル号の航海」(1831-1836)の間に集められた幾らかのデータに基づいた、彼自身の推量と精神的な操作に完全に基づいています。すべての賢明な人は、推量的な知識は大変誤りやすいと知っています。 第2段落 彼の理論がどのように発達したかは、彼自身の言葉で与えられています。「H.M.S.”ビーグル”(訳注:His /Her Majesty's Ship イギリス海軍の艦艇に付けられる接頭辞。国王陛下の船、あるいは女王陛下の船、という意味)に博物学者として乗り込んでいたとき、私は南アメリカに住んでいる生物の分布、そして、その大陸の現在から過去までの生物の地理的な関係に関する特定の事実に、大いに悩まされました。 これらの事実は、種の源に、あの、神秘の中の神秘に、幾らかの光を投げかけるように見えます。家に帰ってから、1937年に、それに何らかの関係がある可能性がわずかでもある様々な事実を辛抱強く集めて、それについて熟考することによって、もしかしたらこの問いについて何かを結論できるかもしれない、と私は思いつきました。 この主題について推量することに5年間の仕事を自分自身に許したあと(下線部を斜体で強調)、そして幾らかの短い原稿を作成したあと、(これらを私は1844年に結論の概要に拡大しましたが、それは私にはほぼ真実であるように見えました)、その時期から現在まで、私はこつこつと同じ対象を追及してきました。 「種の起源」を考えるにあたって、博物学者が「種は独立的に創造されたのではなく、他の種からの変異のように生じた(訳注:to descend、次の世代へ伝わる)のである」、という結論に至るかもしれない、というのは、大変考え得ることです。」(脚注2) 第3段落 ダーウィンは霊魂の性質について何の知識も持ちません。彼は、生命体(霊魂)がどのように一つの種から別のものへと転生しているかについて、何の明らかな情報も持ちません。彼は、人間の水準からさらに進化があるのかということを知らず、そして彼はそれを通して進化の循環が続く種の総数について、全く何も知りません。彼はまた、霊魂が人間の水準から、生命の、より低い種に転生することができるかどうかについても、何の情報も持ちません。 第4段落 ダーウィンの理論(校正:Theory →theory)に関しては、大いなる混乱があります。彼を批判する者たちは、非常に合理的に尋ねています。「もしもダーウィンの自然淘汰の理論が正しいなら、なぜ私たちは(種を)繋ぐ連結物、種の中間的な形を見ることができないのですか?」 ダーウィン自身も、このことに関して完全に混乱していました。彼は、自分の推量的な議論の他には、何らの論理的な答えも与えることができませんでした。彼自身の答えはこのようなものです。「絶滅と自然淘汰は、、、相伴います。」(脚注3)彼は、生命のすべての種は創造の始まりから存在していることを知りませんでした。 「生命の様々に異なる種は、宇宙と共に、直ちに作られました。人間、動物(訳注:原文はanimals, beasts、どちらも動物を指す。重ねて使うのは単なる慣用表現)、鳥、、、すべてが同時に作られました。なぜなら、最後の滅亡のときに生命体が持っていた欲望が再び顕現するからです。」(脚注4)明らかな例としては、古代エジプトのピラミッドに描かれた種は、私たちが現在出会うものと同じでした。 同様に、記憶に残らないほどの太古から、その色とりどりの羽根が至高の人格神シュリー・クリシュナの超越的な頭をとても美しく飾る孔雀は、私たちが今日見る種と同じです。自分の乏しい知識をもって、ダーウィンは進化の過程で一部の種は絶滅したと結論づけました。これは完全に誤っています。 脚注: 1、フィリップ・アップルマン編集「ダーウィン」 Philip Appleman, ed., Darwin (New York; W.W. Norton and Co., 1970), p.66 2、チャールズ・ダーウィン「種の起源」 Charles Darwin, The Origin of Species (New York: D. Appleton and Company, 1883) pp.1-2 (斜体は本書の筆者(H.H.B. Damodara Swami)による。) 3、アルヴァー・エレガード「ダーウィンと一般読者」Alvar Ellegard, Darwin and the General Reader (Goteberg:Elanders Boktrycheri Aktiebolag, 1958), p. 217 4、A.C. Bhaktivedanta Swami Prabhupada, Bhagavad-gita As It Is (New York:The Macmillan Company, 1972), p.456 (校正:本書全体を通して脚注の表示が一定していない。箇所によってプラブパーダのお名前やバガヴァッド・ギーターの記載様式が異なる。) 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 こんにちは。皆様お元気でいらっしゃいますか?少しずつですが翻訳をお届けします。今回の文章も、プラブパーダの書籍に倣って直訳をしています。昔ながらの高等教育を受けた方の例にもれず、一つの文が長くて込み入っているので、多少分かりにくいところもありますが、ゆっくり読めば意味は通じると思いますので、どうぞご自由に編集なさってください。ダーウィンの文章などはもっと分かりにくいですね。昔の人はやっぱり今より頭が良かったのでしょう。
by ammolitering4
| 2011-05-12 01:32
| クリシュナ意識の科学的な基盤
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