第26章 (最終章です。)

第26章 社会的な体を癒すための大学(訳注:college、単科大学、あるいは総合大学の学部。「短期大学」ではない。)

シュリーラ・プラブパーダと彼の何人かの弟子との間のこの会話は、1974年3月にインドのヴリンダーヴァンで交わされました。

SP:  今日では、政治家の仕事は貧しい(poor、気の毒な)市民を搾取することであり、そして市民は恥をかかされ、苦しめられることになります。一方では雨が不足し、そしてそのため食糧の不足があり、そして他方では政府による過度の徴税があります。このようにして人々は非常に苦しめられるので、彼らは自分たちの家を放棄して森に行きます。

アートレヤ・リシ・ダーサ:  最近では、政府は単にお金を集め、何もしません。

SP:  政府の義務は、すべての人が自分の能力に応じて雇用されているように取り計らうことです。失業は皆無であるべきです。それ(失業)は社会において非常に危険な状況です。しかし、政府は人々を土地から引き離して、都会に引き寄せました。政府の役人の哲学は、「非常に多くの人々が土地で働くことが何の役に立つだろう。

その代わり、私たちは動物を殺してそれらを食べることができる」というものであるように見えます。それは全くとても容易です。なぜなら、今日では人々はカルマの法則、罪深い行いの避けられない結果を気にしないからです。「もしも牛を食べることができるなら、なぜ私たちは土地を耕すことに非常な苦労をすべきでしょうか?」これが世界中で起こっています。

アートレヤ・リシ・ダーサ:  はい。農民の息子たちは農業を放棄して都会へ向かっています。

SP:  あなたはこの「上がない、下がない」(topless, bottomless)という馬鹿馬鹿しさを知っていますか?(訳注:この表現は、文脈から判断すると、単に女性の全裸、すなわち無節操な性を指すのかもしれません。トップレスは俗語では様々な意味があり、女性が上半身裸の状態、あるいは何かの頭が切り落とされたような状態を指したりします。ブラーマナ不在の社会が底なしに転落する様子を表しているようでもあります。)

指導者たちはそれを求めています。彼らはホテルに女子大生を連れ込ませ、彼女たちを客に楽しませたいと思っています。世界中で人口全体が汚染されています。ですから、どうして人々は良い政府を期待することができるでしょうか?一部の人々は政府の指導権を握るでしょうが、彼らは汚染されています。

(改行)ですから、私たちがハレ・クリシュナ・センターを持っているところではどこでも、私たちは直ちに人々を訓練するための(単科)大学を設立すべきです。まず、彼らの自然な才能(知的、管理的、生産的、および労働)に応じてです。そして、すべての人が私たちが定める(to prescribe、規定する、処方する、命じる)霊的な活動を行うことによって、霊的な自覚に上げられます。

ハレ・クリシュナの真言を唱えること、バガヴァッド・ギーターから自己認識の科学を聞くこと、そしてすべてのことをクリシュナへの捧げ物として行うことです。すべての人の人生が至高主への献身奉仕になります。

(改行)同時に、現実的な事柄の運営のために、私たちは異なる社会的な部門を訓練しなければなりません。なぜなら、異なる種類の脳があるからです。非常に知性的な脳を持つ者たちは、ブラーマナ、すなわち僧、教師、助言者になるべきです。

他者の管理と保護に向いている者たちは、クシャトリヤ、すなわち役人と軍人になるべきです。食糧の生産と牛の世話をすることに向いている者は、ヴァイシャ、商人になるべきです。そして、他の者たちを補助することができ、手工業や工芸技術の仕事に就くことができる者は、シュードラ、労働者になるべきです。

(改行)社会的な体においては、ちょうどあなたがたの体におけるのと同じように、仕事の区分がなければなりません。もしもすべての人が脳(知識人)あるいは腕(役人)になりたいなら、それなら誰が腹部(農民)や脚(肉体労働者)として活動するでしょうか?すべての種類の職業が必要とされます。脳が必要とされ、腕が必要とされ、腹部が必要とされ、脚が必要とされます。

ですから、あなたがたは社会的な体を組織せねばなりません。あなたがたは、人々が至高主の自然な社会的な区分を理解するのを助けねばなりません。一部の人々は脳として、他の者は腕として、他の者は腹部として、そしてその他の者は脚として働きます。主な目的は、社会的な体を完全に健康な状態で維持することです。

(改行)あなたがたは、皆が必ずその人が向いている種類の職業に就いているようにしなければなりません。それは大切です。要点は、すべての種類の仕事は主への献身奉仕であり得る、ということです。主な点は、人々がその精神でそれぞれの仕事にいそしむように取り計らうということです。例えば、あなたが歩いているとき、あなたの脳は働いています。

「こっちに行きなさい。あっちに行きなさい。車が来ます。」そして、あなたの脳はあなたの脚に言います。「こっち側に来なさい。」さて、脳の仕事と脚の仕事は違います。しかし、中心となる点は一つです。あなたが安全に道を渡れるようにする、ということです。同様に、社会的な体の中心点も一つであるべきです。すべての人がクリシュナに奉仕する手伝いをする、ということです。

サツヴァルパ・ダーサ・ゴスヴァーミー(校正?:長音を示す横棒が子音の上にある):  この種類の(単科)大学は一般市民のためのものですか?

SP:  はい。誰でもです。例えば、工科大学はすべての人に開かれています。唯一の必要条件は、人々が訓練を受ける準備が出来ていなければならない、というものです。これが今、私たちの最も重要な計画です。なぜなら、世界中の人たちがこれらのいわゆる指導者たちによって、誤って導かれてきているからです。

子供たちはクリシュナ意識の小学校に通うことができます。そしてそれから、成長したとき、彼らは自分たちの職業的な仕事と献身生活における更なる発展のために、クリシュナ意識の(単科)大学に通うことができます。

アートレヤ・リシ・ダーサ:  私たちはビジネスも教えるのですか?

SP:  この現代的なビジネスではありません。違います。それは悪事です。ビジネスとは、あなたが豪勢に食べることができて、皆に配ることができるように、十分な穀物と他の作物を育てることができる、ということを意味します。人間と動物(特に牛)の両方にです。彼らが肉付き良く、強くなるようにするためです。そうすれば牛は牛乳を供給することができ、そして人間の共同体は病気に苦しむこともなくしっかり働くことができます。私たちは大小の工場(mills and factories)を開くことはしません。違います。

ヤドゥヴァラ・ダーサ:  シュリーラ・プラブパーダ、芸術と工芸はどこに分類されますか?現代の社会では、芸術家たちと音楽家たちは哲学者として受け入れられています。

SP:  いいえ。芸術家は労働者です。現在、あなた方の大学(colleges and universities)では、芸術と工芸に過度な比重を置いています。したがって、人口全体が労働者です。本当の哲学者はおらず、英知もありません。それが難しいところです。

すべての人が高い給料を得ることの魅力に惹き付けられています。彼らはいわゆる技術的あるいは科学的な教育を受け、工場で働く結果になります。もちろん、彼らは作物を育てるために畑で働くことをしません。そのような人々は哲学者ではありません。哲学者とは、完全真理を探し求めている者です。

(改行)あなたがたの西洋の国々では、悪者たちが犬にも知られている性の哲学について(本を)書いています。この種の哲学は、悪者によっては喜ばれますが、私たちは喜びません。完全真理を探し求めている者、彼が哲学者です。どうやって性交するかについて詳述している、この悪者のフロイトではありません。(訳注:Freud、オーストリアの精神医学者。精神分析の始祖)

西洋の国々では、人々は皆、下層階級になってしまいました。そしてフロイトは彼らの哲学者になりました。「ジャングルでは、ジャッカルが王になる。」それだけです。(訳注:ジャッカルは小型の犬科の動物。夜中に他の動物が殺した死肉の残りを漁る、とされる習性から、卑怯で卑しい人やペテン師などの比喩に使われる。。。でも、実際にはちゃんと自分で狩りをするそうで、なんだか可哀想です。)

(改行)このいわゆる西洋の哲学の中で、本当の知識は何ですか?西洋世界全体が産業のために、お金を稼ぐために、ずっと苦労しています。「食べて、飲んで、楽しく過ごす」。(校正:コンマ→ピリオド)酒と女。それだけです。彼らは下層階級よりも低いのです。これは、彼らを人間にするための試みがなされた最初です。(訳注:これは彼らを人間にするための初めての試みです。)

私が非常に強い言葉を使っていることを気にしないでください。それは事実なのです。彼らは動物です。二本脚の動物です。退けられた人々です。ヴェーダ文明は、彼らを低い者の中で最も低い者として退けます。しかし、彼らは更生され得ます。

(改行)西洋人たちは更生され得ます。ちょうどあなたがた西洋人が、私の生徒たちが更生されたようにです。あなたがたは、最も低い状態から来たにも関わらず、訓練によってブラーマナ以上になりました。誰にも妨げはありません。しかし、不幸にして、これらの悪者たちはこの機会を受け入れることに同意しません。

あなたが「もう不正な性交をするな、もう肉食をするな」と言えば、直ちに彼らは怒ります。悪者たちと愚か者たち。あなたが彼らに良い教え、教育を与えれば、直ちに彼らは怒ります。もしもあなたがヘビにおいしい牛乳とバナナを与えれば、結果は、彼は単に自分の毒を増す、というものです。

(改行)しかし、どういうわけか、クリシュナの恵みによってあなたがたは訓練を受けています(becoming trained)。あなたがた(訳注:斜体で強調)が、訓練されて、特にアメリカにおいて、西洋文明のすべての形態(pattern、様式、型)を改めなさい。そうすれば、新しい章が始まるでしょう。これが計画です。したがって、クリシュナ意識の大学が必要とされます。

終わり。

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裏表紙

これは感傷的な宗教書ではありません。それは率直で、鋭く、明快で、的確に論理的であり、洞察力に富み、啓発的であり、刺激的で、それでいて荘重で深い、効し難い読み物です!

ヴェーダの知識に関する現代の最も偉大な権威として有名なシュリーラ・プラブパーダが、以下のような事柄について意見を述べます。
(中絶、輪廻転生、キリスト教、性と苦しみ、共産主義、牛を殺すこと、魂の科学的な証明、科学技術と失業、教育、社会革命、簡素な暮らしと高い思想、女性の解放、その他多数。)

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クリシュナ意識の学校については、現実には特にアメリカにおいて多大な問題が発生しました。児童の性的な虐待、暴力、家族から引き離された子供たちの心理的な問題、寄宿舎の劣悪な生活環境、著しく低い教育程度、子供たちを日常的に資金集めに駆り出す、など様々です。殺人事件や、生涯に渡って障害が残るような事故も発生しました。問題はプラブパーダの没後は悪化の一途を辿り、大半の学校が閉鎖されました。一連の問題に関する裁判が終了したのはほんの数年前のことです。巨額の賠償金の支払いのためにISKCONは破産状態となり、プラブパーダの著作はすべて著作権の放棄を余儀なくされました。(現在は著作権表示があります。)

この辺りの事情については、別に詳しく調べてご覧になることをお勧めします。このサイトでも過去の記事で触れていますので参考になさってください。参考記事など現在では少数の学校が運営されているようですが、もちろん過去の教訓を生かした運営がなされているものと想像しています。(行ったことはないです。)なお、世界の他の地域では、最初からこんな問題にならずに順調に運営された場所も多かったと聞いています。

問題が生じたから計画そのものが悪である、というわけではないと思います。実行をする上で、実現にあたった人々の意識や能力に不足があったということなのです。改善すべきは改善し、理想を見失わないようにしながら、しかししっかりと地面に足をつけて、一歩一歩進んでいくことが大切なのだろうなと思います。

この小冊子はこれで完成です。この後は前の本に戻ろうか、それとも個人的に会話体のほうが好きなのでそっちに逸れようか、と考えているところです。Achaさん、サイトでのご紹介、ありがとうございました。
by ammolitering4 | 2011-04-29 02:16 | 「ハレ・クリシュナの挑戦」


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