achaさんのご協力を得て、第1章の編集を済ませることができました。ありがとうございます。内容は基本的に以前の翻訳に私の追加分を入れただけですが、ところどころ変えている箇所もありますので、お手元に旧版をお持ちの方もぜひ全体を通してお読みください。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 「人々にバランスの取れた菜食の食事をするように言うのが、なぜそれほど思い切った劇的なことと受け取られるのか、私には分かりません。人間を切り刻むのは医学的には保守的なことだというのに。」 ディーン・オーニッシュ医師。カリフォルニア州ソーサリトにある予防医学研究所の所長、および「ドクター・ディーン・オーニッシュの心臓病を治すプログラム」(原題:Dr. Dean Ornish's Program for Reversing Heart Disease)の著者 第一章 健康と菜食 食生活が健康の回復や維持に大切な役割を果たしていることについての証拠が増えつづける中、さらに多くの人々が、菜食に関心を寄せています。菜食と肉を主体とした食事を比較する場合、二つのことを考えてみなければなりません。人間の体の解剖学的な構造と、肉を食べることが体に及ぼす影響です。 食べるという行動は手と口から始まるので、これらの器官を調べると、幾らかのことが明らかになります。人間の歯は、すべての草食動物と同じように、潰したり噛んだりするように作られています。人間には、肉食動物の特徴である、肉を裂くための牙はありません。 一般に、肉食動物は食物を噛まずに飲みこむので、臼歯や(訳注:食べ物を噛んで潰すために)横に動く顎は必要ありません。同様に、人間の手には鋭い爪がなく、(訳注:他の指と)向かい合わせることのできる親指があります。獲物を殺すより、果物や野菜を収穫するのに適しているのです。 肉の消化 第1段落 いったん胃の中に入ると、肉は消化のために胃酸を多くふくむ消化液を必要とします。人間や他の草食動物の胃酸は、肉食動物の20分の1以下しかありません。 第2段落 肉食動物と菜食動物の腸も異なります。食肉は死んだ肉であり、肉は死ぬとほぼ直ちに腐敗を始めます。肉が摂取されると、この腐敗物が体を毒します。だから肉食動物は食べたものを急いで排出しなければならないのです。肉食動物の消化器官が体長の3倍しかないのも、このためです。肉を食べない動物と同じように、人間は体長の12倍もある消化器官を持っています。そのため急速に腐っている肉を体内に長時間留め置くことになり、多くの有害な影響を及ぼします。 第3段落 もっとも大きな悪影響を受けるのが腎臓です。血液を浄化するという重要な役目を果たしている腎臓は、肉を食べることによって発生する多量の毒素によって疲弊します。あまり肉を食べない人でさえ、ベジタリアンの3倍も腎臓を酷使しています。若いうちはこれに対処できるかもしれませんが、年をとるにつれ、様々な腎臓病の恐れが増し、ついには腎不全になる可能性があります。 第4段落 すい臓もまた、毒物によってマイナスの影響を受けます。本当の肉食動物は肉を生で食べます。人間は加熱調理された肉の味のほうを好みます。加熱調理は、肉食動物が肉を消化する助けになる、肉の中の自然な酵素を滅ぼします。したがって、すい臓はより多くの消化酵素を作り出せねばなりません。そのため徐々に負担がかかり、弱って病気を招きます。 心臓病 第1段落 人体が動物性脂肪をあまり多く摂取できない事実も、肉食の不自然さを表しています。肉食動物は、ほぼ無制限にコレステロールや脂質を問題なく新陳代謝できます。犬を使った実験によれば、毎日2分の1ポンドのバター(226.8グラム)を2年間与えつづけたところ、血清中のコレステロール値には何の変化もあらわれませんでした。 第2段落 一方、草食動物は、必要以上のコレステロールや飽和脂肪酸に対して、厳しい限界をもっています。必要以上の量のコレステロールを長期間にわたって摂取すると、動脈の内側に脂肪質の壁が形成されます。これが動脈硬化として知られる、動脈が硬くなった状態です。こびりついた脂肪壁が心臓への血液循環を妨げるので、心臓発作や心臓マヒ、動脈硬化の危険性が非常に高まります。 第3段落 ニューヨーク大学の栄養学部長マリオン・ネッスルは、「アメリカ人の食生活において、飽和脂肪酸の中で肉が占めている割合は異常に高いのです」と述べています。早くも1961年には、「アメリカ医療協会ジャーナル(Journal of the American Medical Association)に、合衆国における死因の半分以上を占める心臓病の症例の97%が菜食によって予防可能である、と述べられています。これらの発見は、飽和脂肪の割合が高い食事が心臓病を引き起こすという、アメリカ心臓協会(American Heart Association)による報告によって裏づけられています。 第4段落 いくつか興味深い統計があります。 1.血液中のコレステロール値が1%低下すると、心臓病のリスクが3-4%減る。 2.ベジタリアンの血中コレステロール値は、非ベジタリアンに比べて14%低い。 3.ベジタリアンの心臓病による死のリスクは、非ベジタリアンに比べて半分である。 癌 第1段落 結腸ガンと肉食を結びつける多くの研究の中にも、さらなる証拠を見ることができます。肉を中心とした食事は、ほとんど必ず高脂肪で低繊維です。これは結腸内での食物の通過を長引かせることになり、有害な廃棄物が腸に悪い影響を与えます。オレゴン州立大学の動物科学者であるピーター・R・チーク教授は次のように書いています。「様々な国における結腸癌の発生率は、一人当たりの赤身の肉(red meat、牛肉などの加熱しても白くならない食肉)と動物性脂肪の消費と強く関連しており、繊維質の消費と反比例しています。結腸癌の病因における肉食の役割を示す証拠の優越によって、最も熱心な動物学者、あるいは肉食支持者も、多少は愕然とするに違いありません。」さらに、肉は消化される際に発ガン物質であるステロイド代謝産物を出すことが知られています。 第2段落 前述のように、本物の肉食動物は生肉をすばやく、およそ3時間で消化管を通貨させます。人間の消化管は長いので、肉を処理して消化するには12-18時間かかります。消化管内の環境は温かくて湿気があるので、肉は腐って遊離基(フリーラジカル)、すなわち不安定で破壊的な酸素原子を作り出します。フリーラジカルは癌や早期の老化や他の消耗性疾患の原因となります。これらのフリーラジカルは、長い消化プロセスの間に体内に放出されます。 第3段落 研究が進むにつれて、肉食と他の癌を関係付ける証拠が恐るべき速さで積み重なっています。フラミンガム健康研究所(Framingham Health Study)および国立心臓・肺・血液研究所(National Heart, Lung, and Blood Institute)の所長であるウィリアム・キャステリ医師は次のように書いています。「植物を主体とした低脂肪の食事は、心臓発作の割合を85%下げるだけでなく、癌の割合も60%下げます。」 第4段落 ガンの研究調査でもっとも衝撃的な報告のひとつに、ニトロリアミン反応があります。ニトロリアミンは、例えばビール、ワイン、茶、タバコなどにふくまれる2次的アミンが、肉の防腐剤と化学反応を起こすものです。食品医薬品局(FDA)は、ニトロリアミンについて次のように説明しています。「これまで発見された中で最も危険で不安定な発ガン物質群であり、人間の癌の原因においてそれらが果たしている役割が、専門家のあいだに不安を招いている。」 オークリッジ国立研究所のウィリアム・リジンスキー博士は、実験動物にニトロリアミンを与える実験をしました。その結果、6カ月とたたないうちに、100パーセントの動物に悪性腫瘍が発見されました。彼は「ガンは脳、肺、膵臓、胃、肝臓、副腎、腸などあらゆる部分を侵していました。動物たちは滅茶苦茶になっていました。」と述べています。 第5段落 人間の臓器に対するニトロサミンの影響に関する最近の研究はほとんどありません。それが発がん性であるというのは、かねてから証明されています。どんな形態の肉を食べる人でも、危険にさらされています。 肉にふくまれる危険な化学薬品 第1段落 一般の消費者には知られていない、他の危険な化学薬品も肉や肉の加工製品にふくまれています。ゲイリー・ナル、スティーヴン・ナル共著の『あなたの体の中の毒』(Poisons in Your Body)では、企業経営による動物工場の内情が明らかにされています。「動物たちは、トランキライザー(精神安定剤)、ホルモン剤、抗生物質を始め、そのほか2700種あまりの薬品を続けざまに投与されながら、生き永らえさせられ、太らされます。その過程は動物が誕生する以前から始まり、死んだ後にも続きます。消費者の口に入る時にはこれらの薬品は依然として肉に残っていますが、法律では表示しなくてもよいとされています。」 第2段落 これらの化学物質の一つは、(遺伝子)組み換え型の牛成長ホルモン(rBGH/BST)、すなわち合衆国でジエチル・スチルベストロール(訳注:女性ホルモン作用を持つ合成物質)の代替として近年になって開発された合成成長ホルモンです。ジエチル・スチルベストロールは発がん性があることが分かっています。 rBGH/BSTは、合衆国には牛乳が余っているにも関わらず、牛乳の生産を増すために使われます。rBGH/BST 処理を施した牛乳はヨーロッパ連合とカナダでは、健康に深刻な害があるとして禁止されているだけでなく、 rBGH/BSTは肉食をする者にとっては二つのもっと深刻な健康への害に関連しています。処理された牛の牛乳の中に存在していて、パスチャライズ処理によって取り除かれないだけでなく、 rBGH/BSTは肉の中にかなりの量が含まれるのです。 第3段落 まず第一は、 rBGH/BSTを施された牛は、他の牛よりもかなり高い割合で乳房が腫れ上がります。この問題を打ち消すために、農家は牛に大量の抗生物質を投与します。その抗生物質は、乳脂肪を含む牛の脂肪細胞に検知可能な量が残っています。このプロセスが原因となって、抗生物質に耐性のあるバクテリアが繁殖し、人間の病気を治療するために使われる抗生物質の効果がますます落ちます。FDA(アメリカ食品医薬品局)は、ペニシリンとテトラサイクリン(抗生物質の一種)によって食肉産業は年間に19億ドル(訳注:1ドル100円として1900億円。以下同様)も節約できると推定しています。それは彼らが人間の健康にとって害となりうる可能性を見過ごすに足る理由となっています。 第4段落 第二の健康への害は、ホルモン処理を施された牛乳の中に見られる、インシュリン成長因子(IGF-1)の上昇です。 IGF-1は、人間においても牛においても同じ形をとり、どちらの場合も体の細胞が成長ホルモンに反応するあり方をコントロールします。人間の体に IGF-1が増えると、様々な病気が引き起こされます。その中の少なからぬ症例が、大腸、甲状腺、胃、表皮、および乳房の癌です。 狂牛病 第1段落 正しくは牛海綿状脳症(BSE)として知られる狂牛病は、世界中に恐怖を巻き起こしました。当然のことです。しかし、何が原因でしょうか?科学者たちは、 BSEは脳を蝕む病気の一種だと言います。同種の病気は、羊、ミンク、鹿、エルク(訳注:大型の鹿)、猫、および人間に見られます。実際、カリフォルニア大学の研究者である生化学者スタンレー・プルーズナーが、一片のタンパク質である「プリオン」の数式の中に炎症の源を発見する助けとなったのは、 人間型の BSEでした。 BSEは、人間型がそうであるように、共食いによって伝染することが証明されました。そして、感染した牛肉から人間へというように、種を超えて伝染しうることも証明されました。 第2段落 世界中で、近代的な農家は家畜を飼育場で育て、草の代わりに穀物を与えます。穀物は育てるための費用が大きなタンパク源なので、農家はもっと安いタンパク源を探しました。病気で死んだ家畜、精肉産業と皮革産業で使われなかった部分(動物の体重の約半分)、車にはねられた動物、安楽死させられたペット、および動物管理センターに殺処分された動物は、24億ドル(2400億円)の畜産動物油脂製造業(以下、レンダリング産業)の一部です。 (参考資料、日本畜産副産物協会)http://www.jlba.or.jp/con08_3.html ロサンゼルスだけでも毎月2千トンの安楽死させられたペットがレンダリング業者に送られます。その数字はイギリスでもほとんど同じです。(訳注:これはイギリス全体を指すのでしょうか?)これらの動物と動物の部位は、脂肪とタンパク質の塊に分離するまで蒸されます。脂肪は化粧品、潤滑油、石鹸、およびロウソクに使われます。タンパク質の塊は、乾燥されて粉にされ、「濃縮タンパク質」として飼育場に売られ、そこで動物の餌に混ぜられます。牛、羊、鶏、および豚は、共食いを強要されるのです。 第3段落 1988年にはイギリスで2千件の狂牛病の症例が報告されました。反芻性動物に反芻性動物のタンパク質を与えることは禁止されているにも関わらず、1992年には新しく3万5千件の症例が確認されました。1993年には、2人のイギリス人の酪農家がクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、すなわち人間型の BSEで死亡しました。二つのことが明らかになりました。 BSEは牛乳を通して牛から子牛へと感染します。また、感染した肉を食べることで、他の種も病気になります。 第4段落 イギリスは、飼育場の運営や BSEの危険についても、唯一の国ではありません。アメリカの牛もBSEにかかり、アメリカの人々も CJDに苦しんでいます。1996年4月には、テキサスの北東部の一角だけで CJDの症例が8件診断されました。BSEが種を超えて感染する前の、通常の感染の割合は100万人に一人の死亡例というものです。 第5段落 そして、合衆国もイギリスも、農家が反芻性動物のタンパク質を家畜に与えるのを規制した一方で、農家は飼っている草食性の動物に動物たんぱくを与える試みを続けています。伝染性を取り除くための加工がほとんど施されていない、噴霧乾燥(スプレードライ加工)された血液製品の飼料中での使用はますます増えています。この原稿を書いている2006年現在、BSEは新しく合衆国、イングランド、スコットランド、スウェーデン、カナダおよび日本で発生し続けています。危険は去っておらず、問題は解決されていません。 その他の危険 第1段落 ハム、ベーコン、ボローニャ・ソーセージ、サラミ、フランクフルト、および魚肉を含む肉製品の腐敗を遅らせるために、保存料として用いられる化学物質、硝酸ナトリウムと亜硝酸ナトリウムも、健康に害があります。これらの添加物は、血液と筋肉の中の色素と反応することによって、肉にその鮮やかな赤い色を与えます。これらを使用しなければ、死んだ肉の自然な灰色がかった茶色は、多くの見込みのある客を追い払ってしまいます。 第2段落 あいにく、これらの添加物は、死んだ肉の血液と生きている人間の血液とを区別しません。たくさんの人々が誤ってこの添加物を多量に摂取したために中毒死しています。特に幼児や乳児にとっては、もっと少ない量でも有毒です。国連の食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)の食品添加物に関する専門家委員会は、「硝酸塩は決してベビーフードに添加すべきではない」と警告しています。FDAのA・J・レイマンは「硝酸塩の使用量については、安全基準の境界線が非常に微妙である(安全な量と危険な量の間には、少しのゆとりしかない)」と指摘しています。 第3段落 屠殺された時の精神的な衝撃も、「痛みの毒」(強力な刺激物)として、肉にしみこみます。これが尿素や尿酸などの動物の血液中の取り除ききれない老廃物と組み合わさり、人がたべる肉をさらに汚染します。 肉にふくまれる病気 第1段落 有害な化学物質に加え、動物自身の病気が肉に含まれている場合も多々あります。不潔な狭い場所におしこめられ、むりやり餌をあたえられ、非人道的に扱われる屠殺を運命づけられら動物は、普通の動物よりはるかに多くの病気にかかります。肉の検査官は不適切な肉を除外しようとしますが、食肉業界からの圧力と検査時間の不足のため(ほとんどの検査は2分以下)、検査に合格した肉は客が考えているよりはるかに不健全です。 第2段落 USDA(米国農務省 )の肉の検査方法は、どちらにしても疑問の余地があります。それらの方法は、1907年の肉の検査条例に基づいています。それは検査官が汚染の有無を調べるのに視覚、嗅覚、および感触に頼ること、つまり、「つついて匂いをかいでみる」方法を取るように指導しています。しかし、問題は「つついて匂いをかいでみる」方法では大腸菌O157:H7株やサルモネラなどの猛毒の汚染を探知できないことです。1996年にUSDAは検査方針を変更し、精肉業者がより多くの社内検査を行うことを認可しました。結果として、消費者の安全はますますないがしろにされるようになりました。 第3段落 USDAは、これらの低い水準を適用するにあたっても甘いということが知られています。連邦の取り締まり機関の監査をするアメリカ会計検査院は、米国農務省が屠殺場の違法行為を見逃している、と指摘しています。ネズミなどの糞やゴキブリ、サビなどで汚染された肉が、スイフト社、アルモア社、カーネーション社などの精肉会社で発見されています。 政府説明責任プロジェクトの食品安全理事であるフェリシア・ネスターは、記者たちに次のように語りました。「連邦政府の検査官は、食品ではなく書類をチェックします。そして彼らは、製品が紫色のUSDA認可シールを貼られる前に糞便や他の汚染物を取り除くことを禁じられています。」2004年の調査に返答した206人の食肉検査官は、「USDAの新しい規則が原因で、動物の糞便、嘔吐物、金属の破片、あるいは他の汚染物に対して、業者が直接的な行動をとらないということが、毎週、あるいは毎月起こっていた」と述べました。(訳注:これは調査票の返答を総合したもの) 法律が厳格に施行されれば精肉業者は一軒残らず営業停止になる、として甘さを正当化する検査官たちもいます。 第4段落 産業廃棄物の排水と、水環境へのゴミの投棄によって引き起こされる、高レベルのポリ塩化ビフェニル(PCBs)(訳注:日本では現在は使用禁止)によって、魚介類が汚染されているということもよく知られるようになってきています。一部のPCBはダイオキシンに似た性質を持っています。(ダイオキシンは最も毒性の強い人工の化学物質のひとつ。)一部はホルモンとして機能し、他は神経毒として機能します。それらは、癌、肝臓病、先天性欠損症その他の多くの深刻な病気を引き起こします。 殺虫剤汚染 西洋では、作物のほとんどは家畜の餌として育てられています。動物のために育てられる作物には、人間が直接消費するものよりもかなり高い基準で殺虫剤の使用が認められています。家畜の飼料は、とうもろこし、大豆、綿、および麦から成ります。これらの作物に高い基準で殺虫剤がまかれ、そして家畜がそれを食べると、発がん性の化学物質の残留物質が彼らの生組織に蓄積します。のちに彼らが屠殺されて、使われなかった部分がレンダリングされると、濃縮物は動物の動物の飼料に加えられます。既に濃縮されている残留化学物質はさらに濃縮され、人間の消費するものへと移行します。 1962年に出版された「沈黙の春」の中で、レイチェル・カーソンは、主に飼料作物農業で使うために、除草剤の形で毎年6億3766万6千ポンド(訳注:約3億kg)の合成毒が作られていると述べています。1998年にはその数字は400%増加しており、現在(2006年)では600%になっています。 肉を含まない栄養 第1段落 菜食をしていると言うと、ほとんど必ず、予期した通りに「タンパク質はどうするのですか?」と聞かれます。これに対して、菜食主義者は「象はどうですか?牛は?サイは?」と答えるかもしれません。肉だけがタンパク質を含有しているとか、エネルギーと力のために大量のタンパク質が必要である、とかいう考えは俗信にすぎません。 第2段落 消化される間に、ほとんどのタンパク質はその基本成分であるアミノ酸に分解され、体はそれらをふたたび発育と新陳代謝のためにつかいます。22種類あるアミノ酸のうち、8種類の必須アミノ酸の他は体内で合成され得ます。そしてそれら8種類の”必須”アミノ酸も、肉や魚、卵以外の食品(nonflesh food)にも豊富に含まれています。乳製品、穀物、豆類、ナッツなどはすべて高タンパク食品です。チーズやピーナツ、ヒラ豆を例にあげれてみれば、同じ重量で比較すると(per ounce)、ハンバーガー、豚肉、ステーキなどより多くのタンパク質を含んでいます。ハーバード大学のフレッド・ステア博士とロマ・リンダ大学のマーヴィン・ホーディング博士は、菜食主義者と肉食主義者のタンパク質摂取量の比較を大規模におこない、「両者ともすべての必須アミノ酸を必要量の二倍以上とっており、そのほとんどについては二倍をはるかに超えている」と結論づけました。 第3段落 多くのアメリカ人とヨーロッパ人にとって、タンパク質は食事の2割以上を占めます。その量は、世界保健機関(WHO)が奨励する量の2倍近くにおよびます。タンパク質不足は疲れやすくなる原因ですが、体は過剰なタンパク質を利用することができません。体内で利用されなかった余分なタンパク質は、ちっ窒素系の老廃物に変換されて腎臓に負担をかけます。 そして、やがて体から出て行きますが、そのときにカルシウムを奪います。たんぱく質の摂り過ぎと骨粗しょう症の増加を関連づける多くの研究がなされています。骨粗しょう症が骨の中のカルシウムの減少によって引き起こされることを科学者は以前から知っていましたが、彼らは今ではこの欠乏症の主な原因がタンパク質の摂り過ぎであることを理解しつつあります。 第4段落 体の主なエネルギー源はデンプン質です。体内のタンパク質は、他に利用するものがない時だけ、エネルギー源となります。タンパク質のとりすぎは、実際は体のエネルギー限界量(capacity)を低下させます。イェール大学のアーヴィン・フィッシャー博士による一連の持久力比較テストでは、菜食主義者が肉食主義者の2倍も優れた成績をあげています。菜食主義でない人たちのタンパク質摂取量を20パーセント減量してみたところ、成績は33パーセント向上しました。その他の多くの研究も同様に、適切な菜食の方が肉食より栄養価がありエネルギー源になることを明らかにしています。ブリュッセル大学のJ・アイオテキョー博士とV・キパニは、菜食主義者は疲れ果てる前に肉食主義者より2~3倍も長く体力テストをつづけることができ、疲労回復にも5分の1の時間しかかからなかった、という結果を示しました。
by ammolitering4
| 2010-01-10 16:37
| 「ハイヤーテイスト」
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