第15段落
現在の社会の状況では、私たちはこれらの四つの階層の中に存在していますが、協調がありません。誰もが不満を抱えています。今日では、資本家階級と労働者階級の間にひどい反目があります。両者のあいだに妥協がないからです。摩擦しかありません。階層内に於けるこれらすべての反目は、クリシュナ意識の欠落が原因です。実に、クリシュナ意識がなければ協調の可能性さえありません。クリシュナ意識は、人間社会のすべての側面(構成員)を調和させるために絶対必要なのです。私たちがどの階層に属していようと、もしも私たちがクリシュナ意識で協調すれば世界に平和があるでしょう。 第16段落 このように、クリシュナ意識は社会のすべての階層にとって最も必要なものです。バガヴァッド・ギーターのすべての章とすべての結論はクリシュナ意識を指しています。バガヴァッド・ギーターを語っておられるシュリー・クリシュナは、いつも五字分の人格的な存在への献身を強調なさいます。 (サンスクリット引用) 「いつも私のことを考え、私の献身者になりなさい。私を崇拝し、私に従いなさい(臣従の礼を捧げなさい)。そうすればあなたは間違いなく私のところに来るでしょう。私はあなたにこのことを約束します。あなたは私のとても愛しい友だからです。」(BG18.65) 第17段落 バガヴァッド・ギーター全体を通して、マームという語が強調されています。マームは「私に」、すなわちクリシュナに、ということを意味します。しかし、このマームを「皆」を意味すると解釈する不信心者がたくさんいます。私が「私に一杯の水を持ってきてください」と言うとき、それは私があなたにすべての人のところに一杯の水を持って行って欲しいのだということを意味するでしょうか。独立性は存在しますが、彼らは言葉を曲解することによって「私」を「皆」と解釈します。結果として、クリシュナが「私」と言うとき、不信心者はこの「私」を自分自身と見なします。これは甚だしい誤解釈です。バガヴァッド・ギーターは世界中で非常に人気がありますが、世俗の学者たちによるこの誤解釈によって、それは正しく理解されていません。 第18段落 バガヴァッド・ギーターは、このチャートゥル・ヴァルニャムの制度はクリシュナによって確立されたけれど、クリシュナご自身はこの制度の外にある、と明確に説明しています。化身としておいでになるとき、クリシュナはブラーマナや他のどの階層にも属することなくいらっしゃいます。クリシュナがいらっしゃったとき、主はデヴァキーとヴァスデヴァの息子としておいでになりました。ヴァスデヴァは王族に属していたので、したがってクシャトリヤでした。そのためクリシュナはクシャトリヤの役割を演じられましたが、これはクリシュナがクシャトリヤの階層に属していらしたということを意味するのではありません。クリシュナの化身は様々な生命の形をとったものが存在します。ある化身においては、主は魚として、魚の共同体の一員としてお現れになりました。しかし、これは主が魚であることを意味するのではありません。もし私たちが魚を見て、それがクリシュナの家族に属すると考えるなら、私たちは間違っています。 もちろん、他の見方をすれば、すべてはクリシュナです。しかし、クリシュナはすべてから離れていらっしゃいます。これがクリシュナの超越的な性質であり、もしも私たちがそれを理解するなら、私たちは生と死から解放されるでしょう。クリシュナは人間社会の四つの階層を設立なさいましたが、主はそのどれにも属されません。(サンスクリット引用)クリシュナはクシャトリヤの家族にお生まれになったけれど、クシャトリヤではいらっしゃらない、ということを理解すれば、私たちは本当に解放されるでしょう。もしも私たちが、クリシュナがある特定の方法で行動なさるのでーーー例えば、戦場でアルジュナに戦うように諭されたようにーーー主はその行動の反応に縛られると思うなら、私たちは間違っています。 「仕事は私を汚さない」とシュリー・クリシュナはおっしゃいます。(サンスクリット引用)結論として、私たちは、クリシュナが私たちの一員としておいでになるとき、主は実際には「私たちの一人」ではないという事実を受け入れなければなりません。主は超越的でいらっしゃるのです。この事実を私たちは、バガヴァッド・ギーターや完全にクリシュナ意識に覚醒した霊的指導者などの権威ある源から従順に探究する(submissive inquiry、知識を求めて謙虚に問うこと)ことによって学ばねばなりません。 第19段落 今日では、人間社会のすべての側面(構成員)が、自分たちの利益はこの体を維持することにあると考えています。結果的に、今日の社会は単に猫や犬や豚の社会です。ヴェーダ文献から、単にこの体を維持するためだけに一日中一生懸命働く必要はない、ということを私たちは理解することができます。私たちは感覚を満足させるという目的のために物質自然を統御しようとして非常に熱心に働いています。クリシュナがすべてのものの根源であると理解できる者は、クリシュナが至高の統御者である(イシュヴァラー・パラマー・クリシュナー)の意味を理解することができます。宇宙には多くのイシュヴァラ、統御者がいますが、クリシュナがそれらすべての中の至高の統御者です。クリシュナ意識は、私たちにこの知識を与えます。それなくしては、私たちは自分の本当の利益を知らないままでいることになります。 第20段落 現代の社会は、世界中に本当の霊的な知識を述べ伝えることのできる学識ある人々、すなわちブラーマナを切迫して必要としています。それは単に自然を侵略するためだけに懸命に働いている社会にとって、絶対的に必要なものです。もしも人々が持てる限りの知識と判断力をもってこのクリシュナ意識運動を科学的かつ哲学的に理解しようとするなら、そして協力しようとするなら、世界中に平和がもたらされるでしょう。私たちは単にハレ・クリシュナ、ハレ・クリシュナ、クリシュナ、クリシュナ、ハレ、ハレ。ハレ・ラーマ、ハレ・ラーマ、ラーマ、ラーマ、ハレ、ハレ。と唱え、前述の規制的な原則に従うだけでいいのです。規制的な原則に従うことによって、私たちは罪深い生活の四つの大きな柱を避けられます。ハレ・クリシュナ・マントラを唱えることで、私たちは常に神と関わることができます。そうすれば、すべての階層の人々のあいだに平和があるでしょう。
by ammolitering4
| 2009-05-27 06:26
| 「クリシュナ意識への上昇」
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