第18章 プラカーシャーナンダとの会話
第1段落 マーヤーヴァーディーのサンニャースィーの原則によれば、歌うこと、踊ること、そして楽器を演奏することは厳しく禁じられています。なぜなら、それらは罪深い行いと考えられているからです。マーヤーヴァーディーのサンニャースィーたちは、単にヴェダーンタの学習(study、学習、研究)に携わるべきだとされています。 したがって、ベナレスのマーヤーヴァーディーのサンニャースィーたちが主チャイタンニャが歌うことと踊ることと楽器を演奏することと、そしていつも「ハレ・クリシュナ、ハレ・クリシュナ、クリシュナ、クリシュナ、ハレ、ハレ。ハレ・ラーマ、ハレ・ラーマ、ラーマ、ラーマ、ハレ、ハレ」を唱えることに耽っているのを見たとき、彼らは、主は教育がなく、感傷から自分の追従者たちを誤って導いている、と結論しました。 シャンカラーチャーリャの命令は、サンニャースィーはいつもヴェダーンタの研究に携わっているべきであり、単に一着の服だけで満足すべきである、というものでした。主チャイタンニャは正式にヴェダーンタを学習することもせず、歌うことと踊ることを止めもしなかったので、主はベナレスのすべてのサンニャースィーと彼らの家庭人の追従者たちによって批判されました。 第2段落 主チャイタンニャがご自分の生徒と弟子からこの批判の知らせを受け取ったとき、主は単に微笑んで、マトゥーラーとヴリンダーヴァンに向けて出発しました。主がマトゥーラーからジャガンナーター・プリーへ行く途中に再びベナレスに戻ったとき、主は、店員だったのでシュードラと考えられていたチャンドラシェクハラの家に滞在なさいました。 これ(訳注:家の主人がシュードラであること)にも関わらず、主チャイタンニャ・マハープラブは彼の家に居を構えました。主チャイタンニャは、ブラーマナとシュードラを区別なさいませんでした。主は献身的な者を誰でも受け入れました。 習慣的に、サンニャースィーはブラーマナの家に泊まり、食事をすることになっていますが、主チャイタンニャ・マハープラブは独立した至高の人格神でいらっしゃるので、独自の判断をなさり、チャンドラシェクハラの家に泊まることを決心なさいました。 第3段落 当時、自分たちのブラーマナとしての家系を誤用して、ブラーマナたちは、ブラーマナの家庭に生まれなかった者は誰でもシュードラと考えられる、とする法律を作りました。そのため、クシャトリヤとヴァイデャでさえもシュードラと考えられました。 ヴァイデャはブラーマナの父とシュードラの妻の子孫であるとされていたので、彼らは時としてシュードラと呼ばれました。そのため、チャンドラシェクハラ・アーチャーリャは、ヴァイデャの家庭に生まれたにも関わらず、ベナレスではシュードラと呼ばれていました。ベナレスにいらした間はずっと、主チャイタンニャはチャンドラシェクハラの家に留まり、タパナミシュラの家で食事をなさいました。 第4段落 サナータナ・ゴスヴァーミーがベナレスで主チャイタンニャに会ったとき、彼は2ヶ月の継続的な教えの間に、献身奉仕の過程と原則を学びました。主チャイタンニャのサナータナ・ゴスヴァーミーへの教えは、この本の最初の部分に描写されています。 これらの教えを受けた後、サナータナ・ゴスヴァーミーは献身奉仕の原則とシュリマッド・バーガヴァタムを広めることを認定されました。タパナミシュラとチャンドラシェクハラの両者が主チャイタンニャ・マハープラブへの強い批判に関してひどく(主に対して)気の毒に思っていたのはこの頃であり、彼らは一緒にやってきて、主にマーヤーヴァーディーのサンニャースィーたちに会うように懇願しました(to pray、祈る) 第5段落 「私たちは、あなたに対するマーヤーヴァーディーのサンニャースィーからの好意的でない批判を聞くことで屈辱を感じさせられています」と彼らは主チャイタンニャに告げました。「実に、それは私たちにとって耐えられないものとなっています。」 彼らは主に、これらの批判が止まるように何かしてほしい、と頼みました。彼らがこの事項について議論していたとき、一人のブラーマナが主チャイタンニャのところに来て、主を自分の家に招きました。チャイタンニャ・マハープラブ以外のすべてのサンニャースィーが招かれていたので、そのブラーマナは主を招きに来たのでした。 主はマーヤーヴァーディーのサンニャースィーたちとは関わらないことをしっていたので、ブラーマナはチャイタンニャ・マハープラブの足元にひれ伏して主に懇願しました。「私はあなたが招待をお受けにならないと知っていますが、私はそれでもあなたに、来て私の家で他のサンニャースィーたちと共にプラサーダを召し上がることを懇願します。もしもあなたがこの招待を受け入れてくださるなら、私はそれを特別な恩恵と考えます。」 第6段落 主はこの機会を利用し、マーヤーヴァーディーのサンニャースィーたちと会うためにブラーマナの招待を受け入れました。実は、これは主ご自身によってなされた配剤でした。主を招待したブラーマナは、主がどんな招待も受け入れないと知っていたにも関わらず、それでも主を招くことに非常に熱心でした。 第7段落 次の日、主チャイタンニャはそのブラーマナの家に行き、すべてのマーヤーヴァーディーのサンニャースィーたちがそこに座っているのを見ました。主は習慣に倣ってすべてのサンニャースィーたちに敬意を捧げ、それからご自分の足を洗いにいらっしゃいました。 洗ったあと、主は他のサンニャースィーたちから少し離れた、足を洗う桶の横に座りました。主がそこに座っていた間に、サンニャースィーたちは主の体から放射しているまばゆい光輝を見ました。このまばゆい光輝に魅了されて、すべてのマーヤーヴァーディーのサンニャースィーたちは立ち上がって主に敬意を示しました。 彼らの中に、プラカーシャーナンダ・サラスヴァティーという名前のサンニャースィーがいました。彼は非人格主義者のサンニャースィーの中の長であり、彼は大いなる謙遜の念をもって主チャイタンニャに話し掛け(to address、名を呼ぶ)、主に、来て自分たちと共に座るように頼みました。 第8段落 「我が親愛なる方よ(My dear Sir,)、なぜあなたはその汚い場所に座っておいでなのですか?」と彼は尋ねました。「来て私たちと一緒に座ってください。」 第9段落 「おお、私はサンニャースィーの(中の)劣った学派に属しています」と主チャイタンニャは答えました。「したがって、私はあなた方と共に座るべきではないと考えます。この低いところにいさせてください。」 第10段落 プラカーシャーナンダは、そのような学識のある人からそのようなことを聞いて驚きました。そして、彼は実際に主の手をとり、主に、どうか来て自分と一緒に座ってくれるように、と頼みました。主チャイタンニャがとうとう彼らと共に座ったとき、プラカーシャーナンダ・サラスヴァティーは言いました。 「私は、あなたの名前はシュリー・クリシュナ・チャイタンニャだと思います。そして、あなたはシャンカラーチャーリャ・サムプラダーヤに属するケシャヴァ・バーラティーからサンニャーサを受けられたので、あなたは私たちのマーヤーヴァーディー学派に属する、と私は理解しています。」 第11段落 シャンカラ学派によれば、サンニャースィーには10個の異なる名前があります。それらのうち、3つの名前―――ティールター、アーシュラマ、およびサラスヴァティー―――が、最も啓蒙されて教養があると考えられるサンニャースィーに与えられます。 主チャイタンニャはヴァイシュナヴァなので、主はもともと謙虚で柔和(meek、腹を立てず、じっと我慢するような性質)です。そして主は、サラスヴァティー・サムプラダーヤに属するプラカーシャーナンダに、より良い座席を与えたいと望まれました。 シャンカラの原則によれば、バーラーティック学派のブラーマチャーリーはチャイタンニャと呼ばれます。しかし、シュリー・クリシュナ・チャイタンニャ・マハープラブは、サンニャーサとなったにも関わらず、ご自分のブラーマチャーリーの名前を保ち、バーラティーの称号を使いませんでした。 第12段落 「ところで、(Well, Sir)」と、プラカーシャナンダ・サラスヴァティーは続けました。「あなたは私たちのシャンカラ学派に属し、そしてあなたはベナレスにお住まいです―――では、なぜあなたは私たちと交流なさらないのですか?何が理由ですか? もう一つ―――あなたはサンニャースィーで、単にヴェダーンタの学習にいそしむべきだとされています。しかし私たちは、あなたがその代わりにいつも聖名を唱えることと踊ることと音楽を奏でることにいそしんでいらっしゃるのを見ます。何が理由ですか? これらは感情的で感傷的な人々の活動ですが、あなたは資格のあるサンニャースィーです。なぜヴェダーンタの学習をなさらないのですか?あなたの光輝からは、私たちには、あなたはちょうど至高のナーラーヤナ、至高の人格神のように見えます。 しかし、あなたの振る舞いからは、あなたはそうでないように見えます。ですから私たちは、なぜあなたがそのように振舞われるのか知りたいと思っています。」 第13段落 「我が親愛なる方よ。私の霊的指導者は、私を大変な愚か者とお考えになりました」と主チャイタンニャは答えました。「ですから彼は、私は大変な愚か者なので、ヴェダーンタを学ぶ能力はない、とおっしゃって、言うなれば(more or less)私を罰せられたのです。 そして、その代わり彼は私に「ハレ・クリシュナ、ハレ・クリシュナ、クリシュナ、クリシュナ、ハレ、ハレ。ハレ・ラーマ、ハレ・ラーマ、ラーマ、ラーマ、ハレ、ハレ」を唱えることを与えられました。私の霊的指導者は私に、「ただこのハレ・クリシュナ・マントラを唱え続けなさい。それはあなたを全く完璧にします」とおっしゃいました。」 第14段落 実際は、主チャイタンニャは愚か者でもなければヴェダーンタの原則に関して無知でもありません。主の目的は、現代の社会に対して、「苦行と禁欲の歴史を持たない愚か者は、単に何らかの娯楽としての目的のためにヴェダーンタを学ぼうとすべきではない」と示すことでした。 ご自分のシクシャースタカの中で、主チャイタンニャは、人は謙虚な心の状態であるべきであり、自分を路上の草よりも低いと考えるべきであり、木よりも忍耐強くあるべきであり、そしていかなる名誉の感覚も持たないでいるべきであり、他者にあらゆる種類の敬意を捧げる用意ができているべきである、とおっしゃいました。 そのような心の状態において、人はヴェダーンタ哲学や神の聖なる御名を絶え間なく唱えることができます。主はまた、「超越的な科学の真剣な学徒は、自分の霊的指導者の言葉に従うべきである」ということも教えたいと望まれました。 (主の)霊的指導者の判断によれば、主チャイタンニャは愚か者であるように見えました。したがって彼は、主はヴェダーンタの学習に耽るべきではなく、ハレ・クリシュナを唱え続けるべきである、とおっしゃいました。主チャイタンニャは、この命令に厳密に従いました。言い換えると、主はマーヤーヴァーディーたちに、「真正なる霊的指導者の言葉は厳密に従われなければならない」と強く認識させました。それらに従うことによって、人はすべての面で完璧になります。 第15段落 ヴェダーンタは、ヴェーダの知識の最後の言葉はクリシュナの理解である、と指し示しています。 (サンスクリット引用) 「すべてのヴェーダによって私は知られるべきものです(I am to be known)。実に、私はヴェダーンタの編纂者であり、私はヴェーダを知る者です。」(BG15.15)人が実際にヴェダーンタを理解するようになるとき、彼はクリシュナと、自分のクリシュナとの関係とを、知るようになります。 クリシュナを理解する者はすべてを理解します。クリシュナを知る者はいつもクリシュナへの超越的な愛情ある奉仕にいそしんでいます。これは主ご自身によってバガヴァッド・ギーターの中で確認されています。 (サンスクリット引用) 「私はすべての霊的および物質的な世界の源です。すべては私から発します。これを完全に知っている知恵ある者は、私への献身奉仕にいそしみ、全身全霊で(with all their hearts)私を崇拝します。」(BG10.8)
by ammolitering4
| 2012-01-23 23:15
| 「主チャイタンニャの教え」
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